こんにちは、とある医薬品メーカーで開発職をしている「薬品侍」です。
突然ですが、育毛剤と発毛剤の違い、ご存じでしょうか??
意外なことに、「育毛剤と発毛剤の違いがわからない人が9割」のようです。先日トータルヘアケアブランドを発売している某企業の発表データを見てしまいまして、どおりで薄毛に悩む人が減らないわけだなあと。
私もいい歳したおっちゃんですが、実は一時期薄毛に困っていました。
しかし仕事柄、薄毛対策に関する情報は入ってきやすく対処が早かったので、今はまったく周りを気にすることなく生活できています。
今回はそんな私「薬品侍」が育毛剤と発毛剤の違いについて解説します。
ついでに「化粧品」のあまり知られていないポテンシャルについても解説するので、
「最近薄毛が気になる」「いやもうすでにだいぶやばい」「家系的には将来的に多分くる」
という方は、是非ご覧ください。
発毛剤と育毛剤とは?
発毛剤と育毛剤では役割がまったく違います。
まず発毛剤は
「今は生えていない髪の毛を生やし、毛量を増やすこと」
にスポットが当てられている医薬品です。
具体的には毛髪の毛包(毛を作り出す場所:特に毛根)を活性化させて、髪が抜け落ちた頭皮に新しい髪を生やす効果があります。
発毛剤の主な対象者はAGAの方で、よく使われている成分に「ミノキシジル」があります。ミノキシジルはよくCMなどで聞く名前ですよね??
発毛剤は即効性があるものの、副作用もあります。女性は特に注意が必要です。内服薬では動機やめまい、外用薬(外用液)では発疹やかゆみなどの頭皮トラブルと異なりますので使用する際は少量配合のものから、体質が合っているのかどうかを確認しながら使用しましょう。
それに対し、育毛剤は
「今生えている髪の毛を維持する」部分にフォーカスされている
医薬部外品です。
薄毛の原因物質の生成を防いで、今以上の薄毛を防ぐような役割があります。発毛剤を「攻め」とするなら育毛剤は「守り」といったイメージですね。
対象者は特に性別や年齢制限など定めがなく、誰でも使用可能です。
養毛剤、ヘアケア剤とは?
養毛剤やヘアケア剤と呼ばれる製品は、分類としては「化粧品」に分類されます。
化粧品は「皮膚や毛髪のダメージ予防やスキンケア的効能」を目的にされているものです。
化粧品は医薬品や医薬部外品と比べると効果のある有効成分の訴求もできませんし、人体に対する作用が穏やかな傾向がありますが、実は化粧品が必ずしも医薬部外品に劣るわけではないんですよ。
たとえば医薬部外品は「医薬部外品原料規格」に定められた成分しか配合できません。
しかし化粧品は配合成分に制限がありません。
つまりこれまで世の中に存在しなかったような、新しい成分を使った独自開発の製品が
稀に出てくるんですよ。
また成分の配合量も医薬部外品には上限がありますが、化粧品であれば制限がありません。
つまり特定の成分で比較したときに、医薬部外品よりも化粧品の方が高濃度である可能性もあるわけです。有効成分は薄いより濃い方がいい。
「化粧品が自由すぎて、逆に怖いんだけど……」という方もご安心を。化粧品にも配合禁止成分や配合量の上限が指定されている成分などもきちんと定められています。
また安全性について、化粧品には全成分表示義務があります。化粧品に含まれる成分は上から配合量の多い順に、一定の配合量以下の成分については順不同で記載されているので、製品のパッケージ裏を見れば何が大体どれくらい入っているのかが分かりやすいのです。
実はその点、医薬部外品には全成分表示が義務化されていません。
自主的に成分表示を行うメーカーもありますが、必ずしもすべてにおいて
「医薬部外品が化粧品より優れている」というわけではない、
というのがお分かりいただけますでしょうか??
ミノキシジルよりも効果的との実験結果が出た物質とは
可能性を秘めた独自開発の新しい成分の一例を紹介します。
「ミノキシジルよりも効果的との実験結果がでた物質」として話題になった
「シモンコライト」です。
シモンコライトは皆さんもサプリなどで聞き馴染みのある亜鉛の一種です。非常に亜鉛イオンの除放性に優れておりミノキシジルよりも毛の伸長促進作用があることがテイカ製薬によって発見されました。
はじめから薄毛用の薬として開発がスタートしたわけではなく全く別の用途目的で開発している過程で発見されました。製品開発の経緯がミノキシジルと似ているのも個人的には面白みがあって興味をそそられます。
興味のある方は「シモンコライト」で検索してみてください。
リンクも一応貼っておきます。
▼シモンコライト研究所
https://simonkolleite.jp/
私がまた薄毛に悩んで困るその時は、製薬会社が開発した最新の成分・シモンコライトが配合された製品があれば是非とも試してみたいです。